Hypomyces transformans Peck, Ann. Rep. New York State Mus. 29: 57, 1878.  

Anamorph: Sepedonium sp.

寄主上の子実体形成菌糸層は鮮黄色 (vivid yellow, 5Y8/10) から黄褐色 (yellowish brown, 10YR6/4),明褐色 (light brown, 10YR6/8),寄主全面を覆う;子実体形成菌糸層を構成する菌糸は幅3-5.5 μm,柔軟組織状,有隔壁,厚壁,KOH (-).子嚢殻は明褐色 (light brown, 5YR6/6) から橙褐色 (brownish orange, 5YR6/10) または橙色 (orange, 5YR7/12),卵楕円から広楕円形,(323-)363-396(-416)×(291-)343-429(-442) μm,子実体形成菌糸層に埋没して群生;子嚢殻基部は円錐状,(79-)132-165(-185)×(152-)198-264(-449) μm.子嚢は円筒形,(185-)204.5-237.5(-251)×(6.5-)8.5-10(-11) mm,8胞子性,長さ11-13 (-25.5) μmの柄を有し,上部に孔口を生じ,厚肥した先端構造 (幅3-5 μm,長さ2-5 (-10) μm)を有する.子嚢胞子は無色,紡錘形,無隔壁,(21-)35-37(-41)×6.5-8(-11) μm,表面に直径0.5-1 μmの疣状突起を有し,両端は突状(長さ(2.5-)4-5 μm,先端は丸みを帯びる);発芽時に側面表層部がわずかに膨張し,その一端から菌糸を生じる.

PDA20oC7日間の培養でコロニーは直径7-12 mm,綿毛状,表面は淡黄色 (pastel yellow, 5Y9/4) から明黄色 (light yellow, 5Y9/6),鮮黄色 (5Y8/10),培地表面から高さ0.1-0.3 mmに達し,無臭;中央は菌糸が密生し同心円状の環を数層成し,周縁は薄く,密鋸歯状;裏面は鮮黄色 (5Y8/10) から橙色 (orange, 10YR7/12),鮮橙色 (cadmium orange, 10YR7/14).顕微鏡下で菌糸は無色または薄黄色 (pale yellow, 5Y9/2),幅 (3-)5-5.5(-8) μm,有隔壁,厚壁.栄養菌糸との区別が不明瞭な分生子柄が気菌糸上に形成され,有隔壁,やや厚壁,不規則に2?3回分岐し,幅5-7 μm,先端に分生子形成細胞を生じる.分生子形成細胞は分生子柄側面または先端から分岐し,単生または2分岐し,無色, (67-)194-247.5×5-5.5(-7) μm,先端は多少錐形 (幅2.5-3(-3.5) μm) で次第に細くなり分生子を単生または2個発生する.分生子は無色,無隔壁,長楕円から円筒状ときに曲性,薄壁で平滑, (8-)13-17.5(-25.5)×(3-)5-6.5(-8) μm.厚壁胞子は菌糸に側生,または分枝の先端に形成され,群生,薄黄色 (5Y9/2) から淡黄色 (pastel yellow, 5Y9/4),鮮黄色 (5Y8/10),亜球形,幅 (15-)17.5-20 μm,疣状突起 (直径1-1.5 μm) を生じる.

供試材料:アミタケSuillus bovinus (Pers.) Roussel子実体上

引用文献

常盤俊之・奥田徹 (2009) 日本産Hypomyces およびそのアナモルフ IV. 日菌報 50: 94?103.

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